『罪と罰』のような難解な長編を読むにはコツがあります。登場人物とその関係が分からなくなることが最大のつまづきとなることが多いのです。ですから最初の３０ページくらいを、記憶に自信のない方は２回くり返し読んで把握しておくことをお薦めします。(亀…

A sensitive and skillful handling of the language in everyday life,in writing letters,in conversing,making political speeches,drafting public noticies,is the basis of an interest in literature.Literature is the result of the same skill and…

続けます。西鶴です。 世に定めなし とは無情だと言うこと。蓄財して家を建てても火に巻かれて一瞬で消えることもあるような。あるいは藩が取り潰されて浪人になってしまうようなことを指しているのかも知れない。 その一方で定めがあるということ。身分が固…

繰り返す。 鯛は花は見ぬ里もあり今日の月 井原西鶴 抽象的だが、名句である。ここでは、里を集落でなく「人」と解釈する。 鯛のようなグルメにありつけない人も、桜のような美しいものに触れることのできない人もいる。が、今晩のようなみごとな月は、誰だ…

番組をご覧になっておられる方で手元にガイドブック等を持たれておいででない、という向きには敢えて字幕付きで見ることをお薦めしたい。※４／１５の時点で書きました。(実資)心配じゃ(道長)まことにのように、誰が言ったかが明らかになるのが良い。 石山寺…

「面白さがわからない」と言いながら中宮がわざわざ、物語創作の意図を式部の元に聞きに来る。一条天皇も、これまたわざわざ聞きに来る。 公卿たちの間でも、女房たちの間でも式部の書いた物語が話題になり、「これは誰それに似ている」などと噂をし合う。 …

リアルタイムで見たらちょっと興奮したが、「プラス」で追いかけると少し冷静になれる。今日は素直に選者に従うことにする。 第三席 天板にナイフで彫った風の字はあの教室を出られたろうか 小生も中学校を卒業するときにやってしまった。ここなら誰にも気付…

仕事柄、人の死に目に遭う。 本日お亡くなりになった方は、もう死期が近いことをご家族がご存じだった。ゆえに毎日親族が交代で来られていた。小生は今日亡くなられてもおかしくないという気持ちで出勤したし、他の職員も覚悟はあったと思う。 面会に来られ…

パートⅢ：北極を想う日クヌートはベルリン動物園の人気者である。トスカより大事な存在は自分を育ててくれた飼育係のマティアスで、彼こそが母親だとクヌートは慕っているし、マティアスも単に職業という責任感以上の愛情をクヌートに注いでいたのである。つ…

パートⅡ：死の接吻 語り手が変わる。この章の「わたし」はウルズラという女性(人間である)。第一章の娘であるホッキョクグマのトスカの調教師を務め、サーカスで共演もしている。 ウルズラが角砂糖を口にし、それをトスカが舌で絡め取るという曲芸が人気の演…

前項、多和田葉子のことについて書いた。良い機会なのでご紹介したい。 平成の小説ベストテン - 超時空要塞キクロス (hatenablog.com) 小生の選ぶ平成の小説ベスト作品である。 腰を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし…

（多和田葉子のベルリン通信）スポーツの酔い、国の幻想：朝日新聞デジタル (asahi.com) 六月から八月にかけてベルリンはすっかりスポーツ熱に浮かれていた。ベルリンをはじめドイツ各都市を会場に行われたサッカーの欧州選手権が終わったかと思えばパリでオ…

人の心に灯をともす (ameblo.jp)hiro-sanのブログ：小生毎日眺める。 とくに小学校においては、「一に国語、二に国語、三、四がなくて、五に算数」と私はいっているんですが、徹底的に国語に時間を割くことが大切。 とくに「読み」が重要、とした。 小さいこ…

ある日、光輝君は意を決して、幼なじみで同じクラスの三郎君に相談、いやお願いしました。「三郎、頼みがある。算数を教えて欲しい。」三郎君は(勉強嫌いのコウちゃんが何で？)というような顔をしています。「今度のテストで点数が悪かったら親に塾に入れら…

gooブログはじめました！ 分からなくなったら具体的な数字をもとに考えること。公式的なものに拘泥する子は伸びません。 以下の様な「は・じ・き」を使うのは避けた方がいいと思います。応用が利きません。 「速さ 時間 距離」の検索結果 - Yahoo!検索（画像…

みんなの図書館 ～菊池市図書館友の会～ (libraryofall-kikuchi.net) 今月は、まともでした。先月が酷すぎました。 ただ、「図書館超活用術」ができるほどの蔵書はキクロスにはありません。 ※除名覚悟で書いております。

これで良いような悪いような、間延びしたようで結構なことがらを詰め込んだ、何とも不思議なドラマとなってしまった。見ている小生は一体何なのか。まあお付き合い間隔で見ております。まず、史実とのかみ合わせに苦労している様である。見上愛演じる彰子は…

われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ず…

みんな、「ありがとうございました。」を言いそびれたことはないか。 病院でドクターや看護師さんに。職場で今日世話になった人に。何でもいいが。 上手い人は良いタイミングでさりげなく言うよね。「今日はありがとうございました。」って。 感謝の心とは相…

現役を引退してコーチになった人がいるとする。選手にはきちんと指導をしたいという理想がある。例えば「グリップを後ろに引いて溜めを作りながら、ゆったりと片足に体重を乗せるんだ」と指導する。が、うまくはいかない。何度言っても選手が分からなかった…

※言いたいことは後にあります。太字部分の古今和歌集「仮名序」は、飛ばし読みしてくださって結構です。 やまとうたは、人の心を種として、万(よろづ)の言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ(言業)繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞く…

歌 新川和江 はじめての子を持ったとき 女のくちびるから ひとりでに洩（も）れだす歌は この世でいちばん優しい歌だ それは 遠くで 荒れて逆立っている 海のたてがみをも おだやかに宥（なだ）めてしまう 星々を うなずかせ 旅びとを 振りかえらせ 風にも忘…

互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい 正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい 立派でありたいとか…

与えれば 光を増して いく吾子の 乳に噛みつく 乳歯の白さ 本日はこれと思ったし，案の定選者も選った。

文章力がない人の６つの特徴とは１ 文章が無駄に長く的が絞れていない２ 自分で理解してないくせに、難しい言葉や専門用語を使いたがる３ 話が二転三転する４「こそあど言葉」が多い５ 「ここぞ」というところで説明が不足している６ 結論がはっきりしていな…

女は身重らしかった。父に気兼ねをしながらも僕は女の腹から眼を離さなかった。頭を下にした胎児の 柔軟なうごめきを 腹のあたりに連想し それがやがて 世に生まれ出ることの不思議に打たれていた。 女はゆき過ぎた。 少年の思いは飛躍しやすい。 その時 僕…

もう少し韻文の話を続けます。 カチリ 石英の音 秋 これは長いこと新潮文庫を愛読されている方には見覚えのある詩かもしれない。小生が十代の頃、創設間もない"新潮文庫の１００冊"キャンペーンの小冊子に載っていた。井上靖「青春放浪」からの抜粋。中学時…

心をふくらませているのは 旅のわたしたちばかりではない バレリーナーのちょうもしま模様のはちたちも 春のパーティに酔っている 上記は三越左千夫「春の岬に来て」の末尾部分。 教科書に載っていたのをご記憶の方も多いだろう。丸谷才一は"発想は陳腐で下…

文学フアンに「戦後最高の文学作品は何か」とアンケートを取ると、１～３位を三島由紀夫「金閣寺」、大岡昇平「野火」そして遠藤周作の「沈黙」で占めるのが常だと、どこかで読んだ記憶がある。 ご紹介する「最後の殉教者」は名作「沈黙」の数年前に書かれた…

台風で被害に遭われた方にまずはお見舞いを申し上げます。当地熊本県菊池市では大きな被害は今のところ免れているようですが、玉名→山鹿→日田と近隣と言っていいエリアを通り過ぎるのを待つしかありませんでした。今後もしばらくは、全国の皆様、お気を付け…