超時空要塞キクロス

キクロスとは菊池市生涯学習センターのことです。友の会の会員が除名覚悟で書いております。

光る君へ(10)

光る君へ第10回。面白かった。45分の中に(テーマ曲や回想、紀行を除けば実質40分)三つのエピソードが盛られて飽きさせない。
吉田羊。本当に貫禄が出てきた。かつての「草燃ゆる」で主演を務めた岩下志麻(北条政子役)を思わせる。政治では摂関の時代、つまり摂政と関白が政を牛耳る時代、後宮においては(そうでない場合もあろうが基本的に)天皇の母や妻が強大な力を持つ。清少納言のバックには中宮定子がいる。ウイットに富み、明るく優しい定子との出会いが宮廷出仕時代の全てと言い切っていいくらいだろう。一方、紫式部の場合は仕える彰子だけではなく、藤原道長の存在があったわけだが、とにもかくにも、後宮における政治をつかさどる存在として、吉田羊は非常にいいセレクトではないか。
クーデターの決行に時間を費やさなかったことが良かった。天皇を内裏外に運ぶこととその大変さやスリル感だけに重点を当てていたら間延びした感じになったであろう。為時の愛人の看病、まひろと道長の逢瀬を挟んだのが大正解である。

それにしても、道長は姉の詮子の相談相手というばかりでなく、父からも「はかりごとが失敗してもお前だけは生き残れ」と言われる。見どころというか器量の大きさがあったのだろう。田辺聖子の小説の中で、中宮定子亡き後、清少納言道長から彰子のサロンに鞍替えするように(それは紫式部と同僚になることを意味するが)勧められる。道長・頼道親子を藤原氏全盛の政治家として見るばかりか、平安文化を盛り上げたプロデューサーでもあったことを我々は意識すべきではないか。

 

※放送当時書いたものです。

この第10回がおそらくは全回通しての最高傑作になると思います。多分、兼家たちが計画・実行したクーデターも、実際こういう感じだっただろう(と思わせることができた点で大成功)。

先週放送の回で枕草子のために道長が危うい目に遭うとかいうナレーションが挟まりましたが、こんなのは嘘っぱちです。

・・・・ということで、今月の投稿はここで終わります。はてなブログを始めて、丁度ひと月ですが、900近いアクセスをいただいたこと、30名近くの読者様を得ることができたことを素直に喜びたいと思います。

皆様、ありがとうございました。またお越しください。

 

[追記]アクセスがやたらに少ない時間帯があっておかしいと思っていたらxからはひっきりなしに来てくださっています。今日だけで200くらいは来られています。

安心しました。