超時空要塞キクロス

キクロスとは菊池市生涯学習センターのことです。友の会の会員が除名覚悟で書いております。

光る君へ(7)

今回45分が短く感じた。脚本や演出がそれなりに上手いんだろうと思うが、感覚があまりにも現代的ではないか。

播磨・摂津の境の一ノ谷(現,兵庫県神戸市須磨浦の西)の北の山ノ手の称。ヒヨドリが春秋にこの山を越すので〈鵯越〉の称が生まれたという。この山から一ノ谷へ下る断崖は急坂で〈馬も人もよもかよひ候わじ〉と言われた。しかし1184年(元暦1)2月,一ノ谷に陣を構えた平氏を討つため,この山上に出た源義経は,この断崖をシカが通るとの話を聞いて〈鹿の通程の道,馬の通わぬ事あるべからず〉と言い,ここを一気に駈け下って平氏の背後をつき,源氏軍を勝利に導いたという(《平家物語》)。一ノ谷の戦での〈鵯越の坂落し〉として有名な話である。
ブリタニカから拝借。
予告の先の「紀行」まで見たが、日本古来種の馬は実に小さい。時代劇で使われる馬はサラブレッドかどうかは知らないが、西洋から入ってきた馬が使われている。果たして古代の小さな馬で上記の鵯越えみたいな真似が出来たのか疑問が残る。義経伝説はかなり尾ひれがついていると思った方がいいかも知れない。

それから、貴族が酒を呑む場面がしばしば出て来る。https://jp.sake-times.com/knowledge/culture/sake_g_nadasake_8reasons
本当に「酒が旨い」ものだと認識されたのは江戸時代後期、多分19世紀になってからではないか。これは司馬遼太郎菜の花の沖』に詳しい。では、それまで日本人は何のために酒を呑んでいたのか?それはひたすら酔うためであった。

長い余談になったが、上記、日本の馬が立派になったのも、酒が旨くなったのも後世のことであるということは知っていて損はないと思う。歴史小説を読むとか、映画やドラマを見るときに、一頭の馬を「名馬だ」「千里の馬」だと過剰に評価していないか。「酒が旨い」などと宣ってないか、"疑いを持って"チェックしてください。

さて、今回のことについても、おかしい点があった。
>今回、愛猫を捜す倫子(後に道長と結ばれる)が殿方たちの前に
>顔をさらすことになるが、貴婦人にとっては憚られる行為であ
>る。まひろが外出する際に矢部太郎扮する従者が笠を持って歩
>くが、日よけの為というより顔を見られないように、という配
>慮があってのことであろう。
と(5)の回に書いた。打毬会が開かれ、殿方も(こっちはあまり問題ないが)夫人方も顔は互いに丸見え。扇子で顔を隠していた夫人もいたが、これがまっとうな姿ではないか。まひろや桔梗はともかく、黒木華演じる倫子は左大臣の娘であって、こういう、やんごとなき人が顔をさらすだろうか。

舞姫は初めは内教坊の女楽人で,中世には公卿や国司などの娘から選ばれた。人数は中世では大嘗会5人,新嘗会4人が決りであった。舞姫は女房装束の一種の色彩複雑な晴装束に身を包み,垂髪 (すべらかし) の髪に日陰の糸をかずらとし,檜扇をかざし,和琴,笛,篳篥 (ひちりき) の伴奏で舞う。
再びブリタニカから拝借。五節の舞について。
「髪に日陰の糸をかずらとし,檜扇をかざし」とある。顔をモロだしすることは避けていたのではないかな?